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抗アレルギー薬と肥満細胞


抗アレルギー薬と肥満細胞
《 広島大学医学部総合薬学科教授 仲田義啓 》 (著者紹介) ■有能な肥満細胞
肥満細胞は全身臓器に広く分布し、即時型アレルギーをはじめとする種々の生体反応に関与している。 その膜表面上には高親和性 IgE 受容体(FceRI)を発現し、IgE 分子を介して抗原が結合するとFcεRI が活性化され、種々の細胞内情報伝達機構を介してヒスタミンなどの化学伝達物質が放出される。

FcεRI には Lyn などのチロシンキナーゼが会合しており、2つ以上の受容体分子が架橋されるとこれらのチロシンキナーゼにより種々の蛋白がリン酸化され、細胞内 Ca2+ 濃度が上昇する。Ca2+ 濃度上昇を惹起する細胞内の情報伝達機構には、細胞膜リン脂質を基質とした反応、すなわちイノシトールリン脂質の分解が密接に関与している。

チロシンリン酸化反応によりホスホリパーゼCが活性化されると、 ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)の分解が引き起こされ、イノシトール1,4,5-三リン酸(IP3)が産生される。このIP3がセカンドメッセンジャーとして細胞内 Ca2+ ストアのレセプターに結合し、 Ca2+ ストアから Ca2+ を遊離させる。一方、PIP2 のもうひとつの分解産物であるジアシルグリセロールは Ca2+ とともにプロテインキナーゼ Cを活性化させる。

一方、ホスホリパーゼ A2 は細胞膜のリン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンの前駆物質であるアラキドン酸を遊離する。これら肥満細胞の脱顆粒は即時型アレルギー反応の効果相発現に極めて重要であり、その作用機序については広く研究されてきた。

さらに最近、ヒスタミンやプロスタグランジンなどのケミカルメディエータの遊離に引き続いて、インターロイキン(IL)-3、IL-4、IL-5、IL-6、マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor-α:TNF-α)などのサイトカインが産生放出され、FcεRI の会合刺激が核内まで伝わることが知られるようになった。

このように、肥満細胞は低分子のヒスタミン、脂質メディエーター、そして蛋白質性の各種サイトカインを遊離する非常に有能な細胞であることが示唆されている。

■生理活性物質の役割

ヒスタミン等の化学伝達物質や酵素、脂質メディエーターは、平滑筋の収縮、血管の透過性亢進、組織の浮腫などを惹起するが、これに対し数時間の後に放出される各種サイトカインは、皮膚、肺、鼻、目などにおける遅発型アレルギー反応、すなわち蕁麻疹やアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜 炎などの臨床症状発現に関与することが明らかにされつつある。

そのうち TNF-α は遅発型炎症反応に重要な役割を果たすサイトカインのひとつとして注目されている。TNF-αは、リポ多糖(LPS)を投与した動物でみられる腫瘍の壊死を引き起こす宿主由来の因子として、BCG を前投与したあと LPS を注射したマウスの血清中に同定された。しかし最近では炎症を介した生体防御機構に深くかかわるサイトカインとして理解されるようになった。

TNF-αは主にマクロファージおよびその系統の細胞から産生されるが、肥満細胞を含む多種類の細胞によっても産生されうることが明らかになってきた。特に肥満細胞の TNF-α 産生はアレルギーや炎症の成立において重要である。

肥満細胞を欠損した W/WV マウスを用いた実験により、好中球の浸潤などの FcεRI 依存性の遅発型炎症反応は肥満細胞に依存しており、さらにその反応には TNF-α が関与していることが示されている。肥満細胞から遊離した TNF-α は局所の血管内皮細胞に作用して細胞接着分子(ELAM-1、ICAM-1、VCAM-1)の発現を引き起こし好中球などの炎症細胞を局所へ誘導する。

■抗アレルギー薬への期待

一方、臨床で広く応用されている抗アレルギー薬は、その化学構造式から抗ヒスタミン作用 (H1 受容体拮抗作用)をもつ塩基性抗アレルギー薬と、それを持たない酸性抗アレルギー薬に分類されるが、いずれにせよそれらのいわゆる“抗アレルギー作用”の発現機序の詳細は明らかではない。

多くの抗アレルギー薬の共通する作用として、Ca2+ の細胞内への流入阻害や細胞内 Ca2+ ストアからの Ca2+ 遊離の阻害による肥満細胞からのヒスタミン遊離の抑制あるいは炎症性のアラキドン酸代謝産物の産生、遊離の抑制などが示されている。しかし、これらの作用のみにはとどまらず、Ca2+ シグナル抑制以外にも何らかの細胞内情報伝達系に影響を及ぼしていることが考えられている。

さらに抗アレルギー薬はその臨床効果発現までに日数がかかる傾向があることが知られており、 肥満細胞からの即時型メディエーターの遊離抑制作用にとどまらずサイトカイン遊離抑制による二次的な効果が関与している可能性も考えられる。しかし、それらを直接的に示す結果は未だ得られていない。今後の抗アレルギー薬の開発展開に期待したい。 仲田 義啓(なかた・よしひろ) 1975年3月
1977年3月
1983年1月
1983~85年

1991年4月 広島大学医学部薬学科卒業(瀬川富朗教授)
広島大学大学院薬学l研究科終了(瀬川富朗教授)
薬学博士(京都大学薬学部、高木博司教授)
米国オクラホマ大学医学部博士研究員および
同国(NIEHS/NIH)博士研究員(ペプチドに関する神経薬理学的研究)
1991年4月 広島大学医学部総合薬学科教授(薬効解析科学、薬理学担当)現在に至る

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Posted by ニッシー at 2008/03/13 15:04 | トラックバック:0 | コメント:0 | Top▲
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